リスク・副作用
「仮歯」
- 仮歯は治療途中に使用するもののため、外れることがあります
- 材質がプラスチックのため、割れることがあります
- 長期間放置すると、歯に悪影響を及ぼすことがあります
「歯周外科(歯冠長延長術)」
- 想定通りの結果にならないことがあります。
- 歯を支える骨を削るため、歯の揺れが増す場合があります。
- 神経のある歯では術後にしみることがありま。す
「ジルコニアボンド」
- セラミック部分が欠けることがあります。
- 形を大きく変更する際は神経を取る必要があります。
- 歯を削る量が多くなることがあります。
「ジルコニアステイン」
- ステイニング(色付け)した部分の色がはげることがあります。
- ジルコニアボンドと比較すると透明感がなく、審美性は低くなります。
治療方針
摂食障害と歯ぎしりの影響で上の前歯が大きく削れてしまっていました。
また、それに伴い下の前歯が伸び上がってしまい、上下での隙間がなくなっていました。
上の前歯は削れて短くなっているため、このままではクラウンが脱離しやすいこと、また下の前歯は伸び上がった分を削って適切な高さにすると歯の長さが短くなり、クラウンは脱離しやすく、見た目が不自然になることが予想されました。そこで、上下ともに歯周外科(歯冠長延長術)にて歯の長さを長くし、クラウンが外れにくく、自然な見た目になることを治療の目標とすることをご提案しました。
特記事項
摂食障害により嘔吐を繰り返す状況では、胃酸の影響で歯が溶けることがあります。
担当者所見
前歯の見た目を気にされて、人前で笑うことができなかったとのことでした。今回の治療では仮歯を装着することと、上下の歯周外科は同日に行いました。大変ですが、そうしないと仮歯を装着できなかったからですが、その日が1番の山場だったと思います。
上顎には審美性の高いジルコニアボンドを使用しましたが、下顎には歯を削る量が少ないジルコニアステインを選択したことで神経を取らずに治療を完了することができました。
歯周外科をしたため、本来であれば、もっと時間をかけて歯肉の経過を確認することが望ましいとされますが、患者様のご都合により今回は経過観察期間を短めで治療を進めることとしました。