目次
- 01はじめに
- 02奥歯の治療の色々
- 03セラミックの詰め物って?
- 04セラミックのメリット
- 05セラミックのデメリット
- 06どんな時にセラミックが良いか?
- 07まとめ
はじめに
最近になり、奥歯の治療で、金属(銀歯・金歯)による修復ではなく、白い材料での治療を希望する方が増えています。
患者さまのただ治療するだけでなく、キレイに治してほしいという審美面での要求は、年々高まるばかりです。確かに、もともと白い歯に金属(銀歯・金歯)が埋め込まれているようでは、目立つのは当然です。なので、審美面での要求が高くなるのは当然と言えるでしょう。
そこで今回は、虫歯が多くできる奥歯の治療について、特にセラミックでの詰め物治療についてお話ししましょう。セラミックでの治療について理解を深めて、皆さんの治療の選択肢の一つにしてもらえればと思います。
奥歯の治療の色々
大人の奥歯は6歳ごろに生え始めます。子供の頃は、歯磨きが不十分になりやすく、おやつなどの間食の回数が多いため、食生活も不規則になりがちです。
このため、非常に虫歯になりやすく、皆さんの中にも、奥歯の虫歯に苦しんだ経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際、奥歯は咬む面や歯と歯の間など、虫歯になりやすい構造をしているのも確かです。
未治療のままでは、虫歯はどんどん進行していき、最終的には根っこだけの状態になってしまいます。こうなってしまうと、歯を機能させることが難しいため、歯を抜くという最悪の事態になります。なので、奥歯の虫歯の治療は非常に重要な意味を持ちます。
では、どのような治療法があるのでしょうか。
ここでは、神経の処置や根っこの治療は割愛します。奥歯の治療は大きく分けて①詰め物と②被せ物があります。この2つは、虫歯によって失われた歯の大きさや虫歯のできやすさなど様々なことを総合的に考えて決定されます。
これら2つの治療はほとんど同じ材料によって治療が行われます。代表的なものが①金属(銀歯・金歯)、②プラスチック、③セラミックの3種類です。それぞれの材料には良さ、悪さが存在しますが、どれも一般的に用いられる材料です。
このように、奥歯の虫歯を治すとき、虫歯を取り除いた部分を補うためには、①金属(銀歯・金歯)、②プラスチック、③セラミックの3つの選択肢があり、それぞれ良い点、悪い点があるということをよく覚えておいてください。
セラミックの詰め物って?
今回は、先ほど紹介した3つの材料の治療のうち、セラミックに着目して解説したいと思います。セラミックと聞いてどのようなものか想像できるでしょうか。最近はセラミックの調理器具も発売されているため、大体のイメージがついている方もいらっしゃると思います。そのイメージと同じように、歯科治療で用いられるセラミックも「陶器」と同じです。
歯科治療で用いられるセラミックは「e-max」と「ジルコニア」の2つの材料が有名で、よく使われる材料です。
e-maxは二酸化リチウムを主材料としたセラミック材料で、あくまでも商品名です。一方、ジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれます。
二酸化ジルコニウムと呼ばれます。ジルコニアは、セラミック素材の中でも、人工ダイヤモンドと呼ばれるほど、特に強度が強いです。また、2つの共通する特徴として、高い審美性があります。つまり、白くでき、歯との色調再現性が高いという点です。
セラミックのメリット
それでは、セラミックでの詰め物の治療にはどのような良い点があるのでしょうか。
ここがなければ、治療をお勧めすることはできません。ここでは、セラミックでの治療によって得られる様々なメリットについて解説しましょう。セラミック治療との比較によく用いられるのは金属(銀歯・金歯)による治療です。
そのため、ここでも、金属(銀歯・金歯)と比較して、どのようなメリットがあるのかをお話しします。
1:高い審美性
セラミックでの治療は高い審美性を持っています。歯と同じような色調を再現できることはもちろん、希望があれば真っ白に治すことも可能です。
金属(銀歯・金歯)での治療を行なった歯はすぐに治療をしたことがわかってしまいます。奥歯と言っても、大きく笑ったり、人前で話す機会が多かったりする人は、コンプレックスを抱いている方も少なくはありません。
一方で、セラミックは先ほど述べたように、歯の色と近い色を再現することができ、かつ白く直すことができます。セラミックでの治療は、素人目には、治療をしたことがわかることはほとんどありません。なので、よりキレイに治したい方にオススメです。
2:生体親和性
2つ目が高い生体親和性です。
生体親和性と聞くと分かりにくいと思いますが、簡単にいうと、体に悪影響が少ないということです。患者さまの中には、お口の中に入っている歯科用金属(銀歯・金歯)によって、アレルギー症状を生じる方がいらっしゃいます。
このように、数は多くありませんが、銀歯・金歯には金属アレルギーの発症リスクがあります。しかし、セラミックはこの生体親和性がとても高い材料なので、人体に対する悪影響はほとんどありません。全身の健康を考えると、セラミックでの治療はとても素晴らしいものだと思います。
3:変色しない
3つ目が変色しない点です。金属(銀歯・金歯)を用いた詰め物では、金属(銀歯・金歯)そのものが変更することはありませんが、詰め物の周りが変色することがあります。
また、プラスチックの材料は、水分を吸収する性質があります。このため、10年、20年という長期的な経過では、どうしても変色してしまうという特徴があり、これを気にして、治療を希望する方も少なくなりません。
セラミックを使って治療を行えば、この心配はありません。セラミックは陶器です。
お皿と同じ材料が用いられていますが、皆さんも経験しているように、お皿が少しずつ水を吸収して、変色することはありません。セラミックの色は一生涯変色せず、元の状態を維持すると言ってもいいでしょう。
これによって、高い審美性が維持されることもセラミック治療の素晴らしい点と言えます。
4:劣化しない
最後のメリットは「劣化しない」という点です。
金属(銀歯・金歯)もプラスチックの材料も10年、20年という長期的な経過を追うと劣化していき、強度が低下していきます。強度が低下すると、虫歯ができやすくなるため、再治療が必要になることがあります。
一方で、セラミックは経年劣化をほとんどしません。そのため、セラミックスの詰め物は半永久的に使い続けることができます。
ここでは、セラミックによる詰め物での治療のメリットを解説しました。
セラミックは体内での安定性が非常に高いため、人工骨や、人工関節など全身的な疾患にも用いられる材料です。
歯科でも同じように、多数のメリットが存在するため、非常に有効な治療になる可能性を見つけられたのではないでしょうか。
セラミックのデメリット
先ほど、セラミック治療のメリットを解説しました。
では、デメリットはないのでしょうか。残念ながら、全ての治療にはデメリットがあります。セラミックでの治療も例外はありません。セラミック治療にもデメリットが存在する為、ここではデメリットを確認してみましょう。
1:破折の可能性
セラミックには破折の可能性があります。お皿を落とすと割れてしまうように、お口の中に入れたセラミックも割れることがあります。いかに強度が強くても、これをなくすことは不可能です。
かなり硬いものを噛んだり、歯ぎしりや食いしばりの癖があったりする人は、セラミック部分に大きな力が掛かってしまい、これに材料が耐えきれずに破折してしまいます。
そのため、装着時に破折しないようにしっかりと調整したり、装着後はマウスピースを使用することで過度な力がかからないようにすることが大切になります。
2:切削量が多くなる
セラミックは衝撃に弱いことが弱点です。意外と知られていませんが、噛む力は非常に強く、体重の3倍以上の力がかかるとする報告もあるくらいです。
この為、セラミックにも強度が求められます。セラミックでの治療の場合、この強度を「材料の厚み」で補う必要があります。材料が厚くなるということは、それをくっつける歯からしてみると大きく削ることで、スペースを十分に確保する必要があります。
一般的に、金属(銀歯・金歯)と比較して、セラミックは、歯を削る量が多くなってしまうため、健康な部分を仕方なく削らないといけない状況もあり得ます。
3:保険が適応されない
最大のデメリットは「自費診療」と言っても過言ではありません。セラミックでの治療はいわゆる「審美歯科」になります。
審美歯科は日本の保険診療では原則認められません。したがって、全額自分で負担しなければならず、どうしても治療費が高額になります。値段は歯科医院よって様々ですが、大体1本10万円程度をイメージしてもらえるといいと思います。
このように、セラミックでの治療にはデメリットも存在します。
患者さま自身が治療を適切に選択するには、メリットだけでなく、デメリットをしっかり理解した上で、選択することですが重要です。
どんな時にセラミックが良いか?
セラミック材料も改良され続けているため、どの歯でもセラミックを使って治療を行うことができると言っても過言ではありません。特に用いられるのが、審美性が求められる前歯ですが、最近は奥歯での治療に用いられることも少なくありません。
患者さまの審美的要求が高まっているということは、歯科治療に対する期待も大きくなってきているということなので、全体のレベル上げには欠かせません。
また、詰め物だけでなく、被せ物の形にも応用できるため、虫歯の治療だけでなく軽度の歯並びの改善や形の修復など、治療の幅も広いです。セラミックによる治療に興味がある方は、選択肢の一つに含めるといいのではないでしょうか。
まとめ
今回は奥歯の詰め物として使われるセラミック材料について詳細を解説しました。
セラミック治療は高額になりがちですが、その価格を上回るほどの治療効果や価値のある材料です。キレイに治ることはもちろん、機能、安全性、長期的な経過を考慮すると、十分に考えてみる価値のある素晴らしい治療です。
もちろん、高額になる為、経済的に難しいと感じる方もいらっしゃると思います。そんな方も奥歯の詰め物や被せ物の治療をする前に、一度メリット、デメリットを相談してみるといいでしょう。一回の治療で自分の歯をずっと守ることができると思うと、きっと安く感じるのではないでしょうか。
皆さんが治療をされる時に、ぜひセラミックでの治療を一度考えてみてください。
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