目次
はじめに
「口を大きく開けたときに見える銀歯が気になる」「銀歯は白くできるの?」
こんなお悩みをお持ちではありませんか?周りの歯になじまない銀歯は目立ってしまうので、気になりますよね。銀歯は白い詰め物や被せ物に変えられ、白い歯には多くのメリットがあります。
本記事では、銀歯を白くするメリットやデメリット、白くする方法について紹介します。銀歯を白い歯に変えたいと考えている人は最後までご覧いただき、是非とも参考にしてください。
虫歯治療に多く使われている銀歯
銀歯は強度が高い特徴があり、保険診療なので費用が安くすみ、多くの歯科医院で対応可能です。現在は条件付きで保険診療でも白い歯が作製できるようになっていますが、今も銀歯は多く使用されている技工物です。
虫歯が大きくて歯を削る面積が大きかった場合、歯を補うためにインレーと呼ばれる詰め物をし、虫歯によって歯冠部を失ってしまった場合、クラウンと呼ばれる被せ物をします。インレーやクラウンには保険診療と自由診療があり、保険診療で虫歯治療する際、インレーとクラウンのどちらも銀歯を装着することがあります。
銀歯を白くする4つのメリット
銀歯のインレーとクラウンのどちらも白くでき、白くすると次のメリットが得られます。
- 白くすると自分の歯となじむので見た目が良い
- 虫歯のリスクが低減する
- 金属アレルギーの心配がない
- 銀歯のままでは歯ぐきが黒くなる可能性がある
順番に紹介します。
1:白くすると自分の歯となじむので見た目が良い
銀歯を白くすると周りの歯となじむため、目立たなくなります。「銀歯が気になってしまい話すときに気になる」「写真に映らないか心配している」このように感じる患者さまは多くいらっしゃいます。
銀歯を白く変えると、このような精神的なストレスから解放されるようになり、自分の笑顔に自信が持てるようになるでしょう。白い歯は清潔感があり、好印象を与えてくれます。
2:虫歯のリスクが低減する
銀歯の下は虫歯のリスクが高まります。銀歯を装着している歯は、年月を経て少しずつ歯と銀歯の間に段差や溝ができます。銀歯は汚れが付着しやすい性質を持っているので、歯垢(プラーク)が歯と銀歯の境目や溝に付着し、虫歯や歯周病の原因となります。
銀歯はセメントを使用して装着します。このセメントは年月が経つと少しずつ溶け出し、銀歯と歯の間に隙間ができ、その隙間に虫歯菌が入り込んでしまうケースもあります。
銀歯を口腔内からなくすことで、これらのリスクを低減できます。
3:金属アレルギーの心配がない
口腔内の銀歯から金属イオンが溶け出し、溶け出した金属イオンがタンパク質と結びつき、アレルギーを発症する原因になります。
銀歯による金属アレルギーは、わかりやすい症状が出にくいので、発症していることに気づいていないこともあります。金属アレルギーの症状は様々あり、人によって異なります。金属を使わない白い歯は、このような不安も払拭できます。
4:銀歯のままでは歯ぐきが黒くなる可能性がある
銀歯は長く使用していると、銀歯と歯ぐきの境目のあたりが黒ずむことがあります。これは金属イオンが溶け出し、歯や歯ぐきに付着するためです。
金属を使用していない白い技工物に変えることで、歯ぐきの黒ずみを回避できます。
銀歯を白くする4つのメリット
銀歯を白くするデメリットとして、次の3つが挙げられます。
- 保険診療の白い歯の素材は限られている
- 自由診療の場合、費用が高くなる
- 銀歯に比べて、歯を削る量が多くなる
一つずつ解説します。
1:保険診療の白い歯の素材は限られている
次の治療方法についての項目で詳しく説明しますが、保険診療でできる白い歯は選択肢が少なく、自由診療の素材に比べてメリットが少なくなります。
保険診療では、国が定めている必要最低限の治療に限られています。審美性などより多くのメリットを求める場合、自分の理想とする素材が保険適用ではないケースもあります。
2:自由診療の場合、費用が高くなる
自由診療の白い歯は、審美性や機能面に優れていて多くのメリットが備わっている分、費用が高額になります。
銀歯は劣化が早いので約5年で作り替える必要があり、自費の歯は手入れをしっかり行うと10年以上使えることもあります。技工物を作り替える場合、初期に作製したときと同じくらいのコストがかかります。
コストの面も考慮した選択が必要です。
3:銀歯に比べて、歯を削る量が多くなる
白い歯を作製するには、銀歯に比べて自分の歯を多く削る必要があります。そのため、自分の歯を削ることに抵抗を感じる方にとっては、デメリットに感じるでしょう。
保険診療で銀歯を白い歯にする方法
保険診療で金属を使わずに白い歯にする方法は次の通りです。
- コンポジットレジン
- CAD/CAM
それぞれの特徴とメリット・デメリットについて紹介します。
コンポジットレジン
コンポジットレジンとは、プラスチック製の樹脂で、レジンやCRと呼ばれています。ペースト状のレジンを歯に直接のせ、LED照射機で固める治療方法です。、初期の虫歯などの小さな虫歯治療に詰め物として使われます。
メリット
- 白い詰め物なので目立たない
- 型をとる必要がなく、基本的に治療は1日で終えられる
デメリット
- 大きな虫歯の歯には使用できない
- 着色しやすく使っていると変色する
- 欠ける・割れることがある
- 天然歯のようなツヤ感はない
- 耐久性が弱いため、力が加わる奥歯や噛む力が強い方には向かない
CAD/CAM(キャドキャム)
CAD/CAMとは、プラスチックとセラミックが合わさったハイブリット素材です。患者さまの口腔内を3Dカメラでスキャンした情報をもとに、コンピューターで設計したデータをもとに専門の機械でCAD/CAMのブロックを削り、作られた技工物です。
以前は保険適用外でしたが、現在では条件つきで前歯から第一大臼歯までが保険適用されています。クラウンのみならず、2022年から条件はありますがインレーも保険適用の対象になりました。
メリット
- 保険適用で可能な見栄えの良い歯ができる
- 硬すぎないので噛み合う歯にダメージを与えにくい
デメリット
- 天然市のような透明感はなく単調なカラー
- 表面のツヤは少しずつなくなっていく
- 金属に比べて強度が低いため強い力が加わると割れるリスクがある
- 長期間使うと着色や変色する
- 銀歯より値段が高い
- 保険適用の条件があるため、適用外の歯には使用できない
自由診療で銀歯を白い歯にする方法
自由診療で歯を白くする代表的な方法を紹介します。保険適用外のため費用は高くなりますが、多くの方に選ばれている治療方法です、
- ジルコニア
- ジルコニアステイン
- オールセラミック
- ジルコニアボンド
順番に説明します。
ジルコニア
ジルコニア(酸化ジルコニウム)とは、セラミックの一種です。見た目が美しく、強度・耐久性に優れているので、人工ダイヤモンドともいわれています。強度に優れているため、力が加わる奥歯に使われます。
メリット
- 自然な透明感があり、審美性に優れている
- 硬いため割れない
- 汚れがつきにくいため、虫歯や歯周病のリスクが少ない
- 変色しにくい
デメリット
- 費用が高い
- 審美性に優れているが、色調が単調
- 硬いのでかみ合う歯に影響が出ることがある
ジルコニアステイン
ジルコニアステインとは、従来のジルコニアよりも透明度の高いジルコニアで作られ、より自然に見えるよう濃淡をつけた技工物です。
単色で作られたジルコニアに比べて自然なグラデーションに仕上がるため、口腔内にセットしたときに周りの歯とよくなじみます。
メリット
- 透明度の高いジルコニアの美しさに加え、より自然に見えるグラデーションがつけられる
- 硬いため、割れにくい
- 汚れがつきにくいため、虫歯や歯周病のリスクが少ない
- 変色しにくい
デメリット
- 単色のジルコニアに比べて費用が高い
- 前歯にも使用できるが、表面がセラミックのものに比べてやや劣る
オールセラミック
オールセラミックは100%セラミック(陶材)で作られる技工物です。オールセラミックの特徴は、非常に見た目が美しいことです。そのため、主に前歯で使用されることが多い素材です。
メリット
- 天然歯に近い透明感とツヤ感があり美しい
- 色の再現性が高い
- 変色しない
- 汚れがつきにくいため、虫歯や歯周病のリスクが少ない
デメリット
- 費用が高い
- 強い衝撃に弱く割れることがある
- 硬いので噛み合う歯に影響が出ることがある
ジルコニアボンド
ジルコニアボンドとは、ジルコニアとセラミックの2層構造で、ジルコニアの表面にセラミックを焼き付けて作る素材です。
強度のあるジルコニアに透明感があり、色の再現性が高いセラミックを焼き付けることで、強度と審美性を高めた二つのメリットを掛け合わせた技工物です。
メリット
- 天然歯に近い透明感とツヤ感があり美しい
- 色の再現性が高い
- 強度がある
- 変色しない
- 汚れがつきにくいため、虫歯や歯周病のリスクが少ない
デメリット
- 費用が高い
- 表面がセラミックのため、強い衝撃で欠けることがある
まとめ
銀歯をそのままにしておくと虫歯リスクが高まり、金属アレルギーや歯ぐきの色にも影響を及ぼすことがあります。銀歯を白くするとそれらの心配要素を払拭でき、見た目もよくなるので自分の口元に自信を持てるようになるでしょう。
歯を白くする治療には保険診療と自由診療があり、それぞれメリットやデメリット、特徴が異なります。
保険診療で白い歯にしたいと考えていても、口腔内の状況によっては保険が適用できないケースもあります。また、保険診療で費用を安くすませたいと考えても、口腔内の状況や噛み合わせなどを考慮して、自費の白い歯の方が良いケースもあります。
まずはそれぞれの素材のメリットやデメリット、特徴を把握して歯科医院での相談をおすすめします。銀歯を白く変えることについて、自分の口腔内の状況を知り、プロの意見を聞いて検討してみると良いでしょう。
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